京都西陣 株式会社帛撰(はくせん) hakusen
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今月の帯〜「袋帯 袿錦 琳派蔦文」

「袋帯 袿錦 琳派蔦文」
日本の繭 手織り

袿錦(うちきにしき)とは、我社の創作した袋帯の一つの名称です。
公家の女性の装束に小袿(こうちき)*1というものがあり、これは平安の時代から現在に至るまで存在しています。用途や格式は時代によりいろいろ変わりますが、いずれの時代でも、小袿は上品な色をもち、有職文様が織り込まれてきました。

そこでこのような上品さを、袋帯の生地、あるいは全体に表現できないものかと思い、“袿錦”*2と名付けました。

地は平織ですが非常に薄く、紗や羅のように透けています。そこに正倉院文様や琳派文様を織り、地(黒の部分)と紋(蔦の柄)との質感の差からくる「織の楽しさ」を表現しています。非常に薄い生地にシワを寄せずに文様を織り込む、大変難しい織りです。

透けるということは、当然軽く、締めやすい帯です。しかしながら、それ以上に透ける優雅さ、透ける色気というものを感じられることと思います。
*1小袿:貴族女子が着る準正装の上着。掛ともいう。
*2帯には袿錦の名、そして日本の繭、日本の絹を使用している印を織り込んでいます。

(2008年2月)
小袿袿錦

柄ゆきを違えてもう一本〜「袋帯 袿錦 能衣菊華文」
下記写真(左)は帯地を窓辺に置き、陽に透かしたものです。この帯の軽やかさ、透け感が伝わるでしょうか。
袿錦の袋帯は、最もたくさんの色糸を使っているものでも、重さにすれば300g程度。通常の名古屋帯が300g前後ですので、名古屋帯よりも軽い袋帯ということになります。


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