「振袖 朱珍 桜」
手織り
|
今回は帯ではなく、振袖を紹介します。
振袖は友禅染に代表されるように「染」で作られるのが普通ですが、我社は西陣織に携わっている関係上、「織」の振袖を創作してみました。
織の種類は朱珍です。朱珍*1とは、繻子地または緞子地に絵緯糸*2によって文様を織り出したものをいいます。
江戸時代、朱珍は上流社会の贈答品として使われ、高級品でした。公家女子の十二単、小袿などは織ですし、小袖も高級なものは織で作られています。
本品は桜の模様ですが、織の質感により、はなやかな中に上品さが表現されています。帛撰ではこの他に綾織の振袖など、数点製作しています。
|
*1朱珍(しゅちん):舶来品をならい室町末期ごろから日本でも織られるようになったと言われています。繻珍ともいう。
*2絵緯糸(えぬき):地の緯糸(=ぬき糸、よこ糸)とは別に、文様を織り出すため織り込む緯糸。色糸。
(2008年3月) |
  
クリックすると拡大します |
纏ってみれば
朱珍の振袖に、唐織の帯をあわせました。桜の可愛らしさと、織がもたらす重厚さ。両方を兼ね備えた、20歳の晴れ着です。

クリックすると拡大します |