「袋帯 すくい織 紅葉賀」
手織り
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すくい織は、綴織*と同じ織技です。
一般的に西陣帯の場合、「綴織」とは地と文様部分のどちらもが綴組織になっている織物のことをいい、「すくい織」とは地が平織で文様部分が綴組織、または、平織と綴との併用組織のものを指します。
本ページに掲載の帯は、その一般的な紬地のすくい織とは織技がまた異なります。文様の始めと終わり部分に「織段」が出ず、文様と地の境目に組織の乱れが生じることがありません。特殊な織技を使っています。
このような高度な織り方をしているため、すくい織といえば、紬のきものの上に洒落帯として使用されるのが一般的ですが、本品のような帯は、文様次第で正装にも十分締めていただくことができます。
帯の柄は、源氏物語の第七帖「紅葉賀」を題材にした、京焼の水指の蓋の絵から採ったものです。 |
* 綴織とは平織の類ですが、経糸を緯糸にて包み込む織り方にて、基本的に経糸に何色用いても、緯糸の色だけが表面にでてくる、という織り方です。これに対し、普通の平織は、経糸と緯糸の色のちょうど中間が表面の色となります。
綴織の歴史は古く、コプト裂、インカ裂等にはじまります。紋織物とはまた異なる、織手の感性が表れます。
(2008年5月) |
 
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柄ゆきを違えてもう一本〜「袋帯
すくい織 唐子文」
唐子とは中国の子供の古称。子孫繁栄の縁起物として、古くから図柄として用いられています。現在のトップページの写真がこの帯です。

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綴織とは〜「名古屋帯 綴織
おしどり水紋」
こちらが綴織です。すくい織との組織の違いが判りますでしょうか。表面に出ている糸は緯糸のみ。緯糸でもって、文様も地も組織されています。
 
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