「着尺 梨地」新作3点 |
今回紹介させていただく着尺は、我社では定番で作り続けている「梨地」という生地です。梨地というと、漆器の蒔絵や、その名の通り果実を連想されるかもしれません。
織物でいう梨地とはどんなものか、ご存知でしょうか。
織物は経糸と緯糸が交差することにより一枚の生地になります。交差のしかた、つまり織の「組織」にはいくつかの方法があり、「平織・綾織・朱子織」がその代表。「三原織組織」ともいいますので、耳にされたこともあるかと思います。
梨地は、この3つの組織をミックスして作ります。ただランダムに3つの組織を混ぜるのではなく、それぞれの組織がかみ合うように紋型を起こし、製織するのです。仕上がりはまさに蒔絵や梨の表面のような表情。マットでいて絹つやもあり、ややコクのある色味が表現できます。
「雪月花」と「花結び」は青磁色。やや明るめの白禄色のような...。「印度更紗」はシンプルなライトグレー。いずれも梨地に古典の意匠を落り込みました。品格と知性を醸し出してくれる一枚になるかと思います。
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(2014年3月) |
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