日本の染織のはじまりがいつ頃の太古のむかしまで遡れるのかは明確ではないが、日本側の史書である『古事記』『日本書紀』には四〜五世紀頃、応神・雄略朝に、大陸から織物技術者が招かれた記事が散見されるらしい。それとほぼ同時代の古墳からも高度な紋織物が発見されている。さらに時を経て、大陸より導入された織技を発展させ、日本の染織が一つの大きな到達点に達したのは、法隆寺・正倉院に残る七〜八世紀の染織品であろう。
つまり日本の染織史は事実上この七〜八世紀に出発し、現在の西陣織の織技も、すでにこの時代に確立されたと言っても過言ではない。古の職工達が創造した意匠美、それを表現する織技の力。成された帛(きぬもの)は当時「錦」として献上されるほどの輝きを放っていたことだろう。
「西陣織の美と技 古代から現代の織技」
とき:5月13日(火)〜6月1日(日)10〜18時
ところ: 東京アメリカンクラブ フレデリック・ハリス・ギャラリー(東京都港区麻布台2-1-2 →Googleマップ/03-4588-0381)
現代の西陣において、その織技がいまだに伝統として生きています。またその匠の技により織り上げられた染織品が民族衣装としてではなく一般の人々のファッションとして在り続けています。
今回、機会に恵まれ東京アメリカンクラブ(東京都港区)にて展覧会をさせて頂く運びとなりました。足をお運びいただき、ご覧いただければ幸いです。出品物の一部をこちらにも掲載致します。 |