御召*1は「しぼ」のある先練り先染めの絹織物です。
よこ糸には「お召緯」という特別な糸を使用しています。お召緯とは、合糸して甘い下撚りを掛けた生糸を精練(半練り)し、染色した後に糊づけ、糊が乾かぬうちに湿式の八丁撚糸機で強く撚ります。左方向と右方向に強撚した2種類の糸を作り、撚り止めしてあります。左右強撚のお召緯を2本ずつ交互に織り込んで製織。織り上がった反物をぬるま湯で手もみの地入れを施すと、撚りが戻ろうとして、御召の特徴である「しぼ」が生まれるのです。
御召の生地は、張りすぎず垂れすぎず、さばきが良いのが利点。摩擦に強く、伸縮性もあります。絹のセリシンを残した「半練り」がゆえの控え目な光沢も魅力です。
柄は名物裂「利休間道」の写し。決して目立ちはしませんが、それでいて気品のある織物です。
*1御召:「御召とは」(2008年11月)もあわせてご参照ください
(2012年10月) |